特集・コラム

Share Lounge Kyoto Mamori

京都市中京区

Share Lounge Kyoto Mamori(シェアラウンジキョウトマモリ)は、京都御苑や二条城といった観光名所にほど近く、ここ数年でおしゃれなお店が集まるスポットとして賑いを見せる三条通り沿いのビルの4階にあります。関西地方では珍しいバイオフィリックデザインを取り入れ、リラックスしながら仕事ができると注目を集めているコワーキングオフィスです。

都心にありながらまるで森の中にいるような空間を24時間利用できるため、京都市内はもちろん全国、そして海外からの利用者も増えてきています。

今回のインタビューでは、Share Lounge Kyoto Mamoriの設立経緯や特徴、今後の展望について運営会社である株式会社ナマケモノ取締役の江藤有紀様にお話を伺いました。

 


株式会社ナマケモノ 代表取締役 江藤様

― Share Lounge Kyoto Mamoriを設立された経緯について教えてください。

運営母体である弊社は、約10年前に女性向けのカウンセリング事業をスタートさせ、現在は東京に拠点を設けて事業を行っています。徐々に関西エリアにもお客様が増えてきましたので、新たに関西事務所の開設を計画したのがもともとのきっかけです。

関西事務所と言ってもスタッフが常駐するのではなく、主に私が関西エリアでの出張カウンセリングの際に使用するスペースとして考えていましたので、オフィス機能を持たせるだけではもったいないな、せっかくなら事務所兼周辺の地域の方々にも利用していただけるスペースにしようと考えて、さまざまな方が集えるコワーキングオフィスとして2020年12月に開設しました。

― Share Lounge Kyoto Mamoriの特徴はどういったところでしょうか。

大きな特徴が3つあります。

1つめは完全無人化です。スタッフは常駐しておらず、会員登録後に専用サイトへログインいただいて予約や入退室、食事などのための途中退室時の施解錠をすべてご自分で操作していただくシステムになっています。(2023年10月現在、メンテナンスのため一時的にスタッフが出入りしています)

2つめは24時間年中無休運営です。完全無人化に伴って実現したシステムで、早朝や深夜でもご都合に合わせてご利用いただけます。実際夜中にご利用くださる会員様が少なくないですね。

3つめはバイオフィリックデザインです。バイオフィリックデザインとは、「人間は本能的に自然とつながりたいという欲求を持っており、森のような緑の多い環境にいるとリラックスできる」という研究結果をもとに考えられた空間デザインの手法です。植栽をふんだんに取り入れたデザインで、カウンセリングスペースにもコワーキングオフィススペースにもふさわしい内装に仕上がりました。

― Share Lounge Kyoto Mamoriを利用される方はどのような方がいらっしゃるのでしょうか。

コワーキングオフィスの利用を目的として来られる方が98%と圧倒的で、30~40代の男性が多いです。利用者の年代は幅広く、60代の方もいらっしゃいます。学生さんが家庭教師の先生と一緒に来られたこともありましたね。利用者の業種はさまざまですが、IT系やWeb系以外にカウンセリング系も多いです。カウンセリングをされる場としてミーティングルームや半個室をご利用いただいています。東京や広島、九州から旅行ついでにカウンセリングを受けに来ましたという方もいらっしゃいますね。

実は、旅行しながら仕事もこなすデジタルノマドワーカーを中心とした外国人の利用も非常に増えているんです。2023年5月から徐々に増えてきたため、それまで日本語対応のみだった会員サイトを英語にも対応できるようリニューアルしたところ2023年8月には全体の39%を占めました。外国人のノマドワーカーのコミュニティで情報共有されているのかもしれませんが、利用者のアンケートを見ると「コワーキングオフィス 京都」というキーワードで検索がヒットして、Googleマップで口コミを見た上でご利用いただいている方が多いです。ドロップイン可能な時間が18時まで、長くても21時までというコワーキングオフィスが一般的ですが、Share Lounge Kyoto Mamoriは24時間利用できるので、時差があるヨーロッパやアメリカのクライアントとミーティングしやすいようですね。

Googleマップの口コミでは「森みたい」「癒される」「時間が溶ける」といったご感想を多くいただいています。植物が多いとリラックスしながら仕事に向き合えるので、かえって集中できるようで、滞在時間は比較的長い印象です。

― Share Lounge Kyoto Mamoriの今後の展望について教えてください。

利用者が増えてきていますので、さらにShare Lounge Kyoto Mamoriを多くの方に知っていただけるよう弊社主催のイベントを今後企画したいです。税務や労務といったビジネス系のイベントというよりは、弊社ならではの実績を生かしてメンタルヘルスをはじめとした心理・メンタル系のイベントに特化したいと考えています。個人事業主やフリーランスの皆さんは、基本一人でお仕事をされていることもあって孤独感を抱えがちです。イベントを通してShare Lounge Kyoto Mamoriの会員さんたちがゆるくつながることで、孤独感が少しずつ癒されるといいなと思います。いずれは会員さんとのコラボイベントや会員さん主催のイベントを支援する形に発展させたいですね。

また、訪日外国人の利用率を上げるための取り組みも強化したいと思っています。日本の代表的な都市として知られている京都には多くの外国人がやってくるので、行政が進めているインバウンド向けの施策と協働する形で外国人向けの情報発信にも注力したいですね。